Google先生に花の名前をたずねる

日々「お題」と戦う(要するにさまざまな調べ物をする)わたしの強い味方、Google先生。

日頃からGoogle検索にはお世話になりっぱなし。でも、Google検索では「名」から「どんなモノか」「どんな意味か」を調べるのは簡単だけれど、目の前にある「モノ」からその名を突き止めるのはとても難しい。まるでクイズのようだ。いくつかのヒントから答えを探すのだ。

しかし時には、ヒント自体、自分で考えなければならない時がある。

今日の「お題」は花の名前

今日のお題は手ごわい。とある方面から、この花の名前はなんでしょうか、との質問。

名前は何でしょう?

花には詳しくないのでさっぱり分からない。

画像を検索する

この時点で分かっているヒントは、もちろんこの写真、そして「蘭である」「根元の球は『バルブ』という」「赤いところは『しんべん』という」くらい。「しんべん」は「芯弁」か?と思っていた(ハズレだった)。

「蘭 赤い斑点 中心が赤 バルブ」などとGoogleの画像検索をしてみても、見当外れの花しか出てこない。中心にある真っ赤な舌みたいなべろーんとした花びら?が特徴的だが、検索語を「赤い舌」「緑に赤い斑点」とかいろいろ入れ替えてみてもダメ。的外れだった「芯弁」も入れてみたがもちろんダメ。

ヒントを考え直す

そもそも、「舌」に見えるのはわたしだけかもしれないのに、「赤い舌」で検索しても仕方がないことに思い至る。この「舌」みたいな部分は何というのか。緑の花びらに赤い斑点があるように見えるけれど、「花びら」でいいのか。

そこで原点に戻り、蘭について検索。そこで見つけたのがこのページ。

洋ラン(「長野周辺の山歩きと山野草」から。洋ランについての基礎知識。)

ここで、この「舌」部分が「唇弁」または「リップ」であることが判明。そして花の奥に立ち上がっている黄色い部分は「蕊柱」や「コラム」というらしい。つまり写真の蘭は、「リップが赤く、ずい柱が黄色」であるというわけ。この「洋ラン」ページには蘭のいろいろな属の写真も載せられているけれど、多すぎて見切れず、区別もよく分からないので写真を見比べるのは挫折(後述の「属」も載っていたことが後で判明)。

再び画像検索

検索語を考え直して検索(ずい柱は黄色 蘭 赤い斑点 リップは赤 – Google 検索)。

「ずい柱『は』黄色」のように助詞を入れているのは、文章っぽい言葉遣いのほうが求めるページの記述にマッチしやすいかなと思うからなんだけど、Google先生的にそういう言葉遣いが気に入られているのかどうかは不明。でもGoogle先生、助詞は認識してくれるらしい(というか無視するらしい)。

表示された写真のなかに、全体の色合いが上の写真に似ているものがあった。ピンと来た。ここまでくると野生の勘。

属から名前へ

Genus Bulbophyllum(「ラン科図鑑」から。Bulbophyllum属の写真が掲載されている。)

全体的に、緑に赤い斑点という微妙に気持ちの悪い(失礼な)色合いが似ている。と、いうことは、目的の蘭はBulbophyllum属かもしれない。そこで「Bulbophyllum」で検索(Bulbophyllum – Google 検索)。すると、そっくりな花があった!

Bulbophyllum rufuslabrum バルボフィラム・ルフスラブラム(ページタイトルは引用者が訂正)、このページの花にそっくりだ。上の写真でも、「ずい柱」は「柱頭」だけが黄色で、奥の方(下の方)は花弁と同じように薄緑に赤い斑点がついている。そしてタイの蘭らしいことも分かった。

確認と報告

最後に、Bulbophyllum rufuslabrumで再度検索(Bulbophyllum rufuslabrum – Google 検索)して、ほぼ間違いないということで、「バルボフィラム・ルフスラブラム」でタイ原産ということを質問者に報告して調べ物終了。

お題との戦いは、勘とGoogle検索の共同作業なのです。Google先生、今日もご協力ありがとうございました。

ヤイトバナ

ブログのデザインを変えてみました。ひさびさ、散歩図鑑。

ヤイトバナ
「つる 雑草 小さいピンクの花 中心が赤 夏」でGoogle先生に尋ねたところ、名前が分かりました。「ヘクソカズラ」だって(ヘクソカズラ – Wikipedia)……。別名をタイトルにしておきます。花がお灸の跡に似ているからとのことですが、お灸したことがないので分かりません。

天然生活のカレンダーが便利

天然生活2012年2月号の付録の「24節気72候の暮らしカレンダー」がおもしろい。

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旧暦の月名や、「夏至」「小暑」「大暑」などの24節気まで書いてあるカレンダーはよくあるけれど、72候まで書いてあるのはそう多くないんじゃないかな。

7月だとこんな感じ。

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ちょっと写真が暗いですが、「文月」の説明、季節のもの(野菜など)、家しごと(虫干し、どくだみ茶づくりなど)、24節気の「小暑」の説明と、72候の「温風至」(あつかぜいたる)、「蓮始開」(はすはじめてひらく)、「鷹乃学習」(たかすなわちがくしゅうす)のそれぞれの説明があります。

時々季節の説明を見ては「なるほどなー」と思ったり。体感は旧暦に近いんですよね。実用的な知識というよりは、説明をみて体感に納得しています。そういう用途のカレンダー。虫干しはともかく、ドクダミ茶なんて作ったことないしね。

7月27日には「土潤溽暑」(つちうるおうてむしあつし)とあります。確かにこのところの天気には、このことばがぴったりです。

来年も同じようなカレンダーを付録にして欲しいな。

楽天の地球丸ショップにはまだ在庫がありました。

「絵師と編集者」なら小笠原京

どこかの書評で見かけた、『人魚は空に還る』を古本で入手しました。

美麗な表紙絵だし、「雑誌記者と天才絵師、ふたりの青年が贈る帝都探偵物語」(本の内容紹介より抜粋)だそうで、ふ〜んおもしろそうじゃないの、とチェックしておいたもの。
表紙はこういうの。

登場人物は天才絵師(有村礼)と雑誌記者(里見高広)。1ページめ。

帝都随一の絵巧者との呼び声も高い有村礼だが、天才肌にありがちな気難しさで、悪名高き編集者泣かせでもある。

ふむふむ。

その有村礼が、どうしてか高広の勤める至楽社にだけは好んで挿絵を描くのである。

ほうほう。何か理由があるワケね。でもこういうの、前に読んだよなあ。絵師と編集者? 3ページめ。

「礼、入るよ」
正面には格子窓があり、礼はその側に絨毯を敷き文机を置いて絵を描いていたが、高広が姿を見せると絵筆を投げ捨てて飛んできた。
「ずっと待っていたのに何故来ない」
絵のような美貌でなじるようににらまれては、(後略)

そうきたか。ところで、「絵のような美貌」……って、どんな美貌? いや、男が美貌でもかまわないんですが、美貌を「美貌」と書いちゃうとそこで思考が停止してしまうよ。しかも、絵師の話で「絵のような」とは。有村礼の描く絵も、美人画というが具体的にどういうのかよくわからない。高広の出版社にだけ絵を安く描く理由というのも全体のストーリーにはあまり関係がないようなことで、しかもあっさりと明かされてしまいます。行間を読むヒマもない。足りない。何かが足りないんだよ……! 心の中で叫びつつも読み進めましたがあれやこれやで二話で挫折。事件の解決も、二人の今後も、どっちでもよくなってしまった。短編連作ですが、表題作にもたどりつけませんでした。

設定が似ているので思い出したのは、小笠原京の「旗本絵師シリーズ」。

(残念ながら絶版)

こちらは、旗本の三男だが「武士は嫌いだ」と絵師(下絵師)になった藤村新三郎が主人公。地本屋(娯楽出版物の問屋だそうです)の三番番頭、六兵衛にしか絵を渡さないというので、六兵衛はほかの地本屋から恨まれている。編集者じゃないけど、絵師の担当者という感じですかね。六兵衛はうわさ話が好きで、新三郎のところへうわさ話を持ち込んだり、新三郎のかわりにいろいろ聞き込んできたりする。

新三郎が六兵衛にしか絵を渡さないのはそんな六兵衛がお気に入りだからだと思うのですが、はっきりとは書かれていません。

シリーズのうち、『瑠璃菊の女』(福武文庫)の表題作冒頭。訪ねてきた六兵衛がみた新三郎の姿。

大伝馬町からきて長谷川町の角を曲がるとすぐ、低くめぐらせた板塀越しに、薄縹地に肩から裾にかけて花菱つなぎを白く抜いた着流し姿が縁に立っているのがちらりと見えた。
ついこの間まで板塀の裾のほうにからみついていた咲き残りの朝顔の蔓がきれいに払われて、代わりに桔梗が二、三株、小さいつぼみを持っている。

「絵のようだ」と思います。「絵のような」と書いてあるのとは違います。新三郎は特に美男子だという記述はないけど、さっそうとした姿で歩いているとみんなが振り返るとか、ほかの座敷を放り出しても駆けつける花魁の恋人がいるなどという描写があります。着物についての描写はしばしば出てきます。

「瑠璃菊の女」の中心になっているのは、るりという女です。

るりの夫は、藩の蔵米に関する不正について上役に直言した結果、殺されてしまう。るりは不正に加担した米問屋・瓢屋に素性を隠して入りこむが、蔵に閉じこめられ、辱めを受けつつも夫の仇をとるために耐えている。ふと「物好き」で事件に首をつっこんだ新三郎の手助けもあって、るりは助け出され、不正は明らかになるが、瓢屋には何のおとがめもない結果となった。

その後、るりはかねて覚悟の通り瓢屋の主人を刺し殺し、自害して果てる。その前に瑠璃菊をもって別れをいいに来ていたのを後で知り、新三郎は歯がみするが、「お上が当てにならないとなりゃあ、こうするよりほか仕方がないさ」と涙雨の降り続く空を仰ぐ。

その三日後、六兵衛が訪ねてくると、新三郎は絵を見せる。「瑠璃菊の女」、最後の部分より。

散りかかる花吹雪の中に、小袖を肩にかけ、扇を開いていましも舞い初めたと見える白拍子が描かれていた。昂然と上げた面にみなぎる凛然たる気迫、六兵衛は何も言わない。
「義経記さ」
「こんな女が、いたんでしたねえ」
「うむ」
すべて墨描きの下絵の中で、肩にかけた小袖の小菊文様にばかり、濃い紫紺の色が差してある。
「これは……」
「瑠璃菊さ」
「瑠璃菊、ねえ」
「ああ」
雨は切れ目なしに降って、庭の桔梗もずいぶんすがれてきた。
長雨になるのかもしれない。

ここを読んで、苦労してこのシリーズを集めて読んで良かったなあと改めて感じました(「小笠原京の旗本絵師シリーズ | 秋風夜雨」参照。この文庫本を最後に入手したのです)。同じ本の「桜川の契り」も悲恋が胸に迫り、重要な役割を果たす絵についての描写がすばらしい作品で、おすすめ。

セリフなどの間といい、目の前に見せられるような描写といい、舞台を見ているような小説です。「何かが足りないよ!」と叫ぶ「絵師と編集者」ファンにはこのシリーズをおすすめします。

来年の手帳は?

【2012年07月25日夕方追記】「サイト表記が去年のままだ」と指摘しましたが、今日切り替わってました(アクションプランナー)。その点は訂正します。

アクションプランナーの2013年版、発表&発売されたんですね。このブログに「アクションプランナー」、「2013」というキーワードでたどりつく方がいるのでようやく気がつきました(上の写真はわたしのアクションプランナーの方眼ページです)。

それにしても皆さん手帳についての検討開始が早い。わたしなど十月くらいになってやっと検討を始めるくらいで、スタートはわりと遅いほうです。そして一度決めたら迷いません(同じ年にいくつも買ったりしない)。ただし、年ごとに変えたりするけれど。

わたしは今年アクションプランナーを使用していますが(去年は「ほぼ日」)、来年はどうするかというと……分かりません。アクションプランナーにはしないかも。「かも」くらいで何の方針もまだありません。

ところで、「イーウーマン」や「アクションプランナー」でGoogleで検索して得られる公式の情報は少ないですね。去年の十月ころ、自分自身がアクションプランナーにしようかどうしようか迷っていたときにも、検索してもなかなか思うような情報にたどりつけなかった覚えがあります。

いま、「イーウーマン」で検索して出てくるトップのサイトはオフィシャルのものだと思うのですが、そのうちの「アクションプランナー」のページをみると、2011年と書かれていて(手帳|アクションプランナー2011)、去年同時期と変わっていません(2012年07月24日現在)。アクションプランナー販売ページのトップも2012年のままだったりで(アクションプランナー)なんだか売る気がなさそう……というか、ちぐはぐな印象を受けます。2013年版が発表されたんですよね? 戦略的にどうなんだろ? 売る気がないかはともかく、言っていることとやっていることが違うよ、と思ってしまいます。

「アクションプランナー 2013」で今日検索しても、Facebookや佐々木さんのツイッターが出てくる程度で、トップはAmazonのページ。Amazonではもう売ってるんですね。「売る気」って、そういう意味じゃないんだけどなあ。初めて検討する人や、ほかから&ほかへ乗り換えを検討する人も、早ければ今もう考えはじめているのです。それなのにこの状態では、大きな損失だよ(よけいなお世話です)。

ユーザーだったので引き合いに出しますが、「ほぼ日」手帳の発売までや発売後の公式サイトの盛り上げ方、みんなの感じる(みんなに感じさせる)ワクワク感とはだいぶ異なります。前年とどこが違うか(紙質は?レイアウトは?など)、特徴はどこか、ビジネス手帳でもいくらでも書くことあると思うんだけれど、アクションプランナーの公式サイトの紹介はそっけなさすぎ。そして情報があちこちに散らばっているので総合して見られないのが不便です。

結局去年は、すでに購入して使っている人のブログを参考にして、購入を決めました。それをまとめたのがDiigoのブックマーク(リンク)集(1)と(2)です。購入後も引き続きブックマークを続けており、実践的な情報が集まっていると自負しております。ご参考までに、まとめてリンクしておきます。有用な記事を書いてくださった皆さんに感謝。

My List: A Collection on “アクションプランナー” (ActionPlanner) | Diigo(Diigoで貯めたブックマーク。新しい順に一度に見られます。)

以下はDiigoのブックマークを区切ってエントリにしたもの。ブックマークの内容は上記と同じです。
アクションプランナー手帳参考サイト、記事(1) | 秋風夜雨
アクションプランナー手帳参考サイト、記事(2) | 秋風夜雨
アクションプランナー手帳参考サイト、記事(3) | 秋風夜雨
アクションプランナー手帳参考サイト、記事(4) | 秋風夜雨
アクションプランナー手帳参考サイト、記事(5) | 秋風夜雨【2012年08月29日追記】

カバーにしているコクヨのシステミックについてのブックマーク。
My List: A Collection on “KOKUYO SYSTEMIC” | Diigo(新しい順に全部。)

わたし自身の記事。
SYSTEMICリングノートタイプ使い方訂正 | 秋風夜雨
来年の手帳はアクションプランナー | 秋風夜雨(手帳とカバーについて。2011年11月24日の記事です。わたしの「アクションプランナー」使用はこの時点から。)

最後に、好みの色であるAmazonの「アクションプランナー2013」手帳 リズタイプ 色: ベリーダークブルー」は写真を拡大すると、コバというか断面から糸がぴろぴろ出ていてちょっとがっかり。

これ。

これを見て、来年版は少なくともカバーは買わないな〜と思ってしまいました。

本体はこちら。