「萌え」の語源からエコマークの効果まで−『図書館のプロが教える“調べるコツ”』
2009年9月27日 Leave a comment
「調べ物」は、正しい結果にたどり着く調べ方もさまざま。正しいと思う結果もまた、知りたい人によってさまざまだったりして。
図書館に持ち込まれる利用者の「調べ物」に答えるべく、図書館員が調べる過程とその結果、利用者へのアドバイスの方法について書かれた本。つまり「リファレンス」についての本です。登場するのは架空の図書館の架空の図書館員(キャラクター化されている)で、架空の課題についてリファレンスするのですが、調べる過程で参考にする図書やデータベース、検索サイトなどは実際のものが使われています。
図書館なので、リファレンスの結果は主として本を紹介し、安易にネットで見つけたページ(だけ)に頼ることを戒める一方、時にはgoogleを活用したり、「大まかな知識を得たい時は百科事典」、「日本語のことなら『日本国語大辞典』(日本国語大辞典 – Wikipedia)」などなど、一般的な調べ物に役に立つコツがいろいろ紹介されています。
「実際の仕事についての架空の人物のやりとり」ということでは、前に読んだ『名門校に席をおくな!』も思い出されます。この『調べるコツ』も『名門校〜』も、本来のテーマとは別に、「お仕事紹介本」みたいでわくわくしながら読めます。
使用されているサイトや辞典などを確認しつつ読んだのでメモ。
- 調べ物の入口はその図書館のOPAC(OPAC – Wikipedia)
- 国立国会図書館 NDL-OPAC
- 国際子ども図書館:資料の検索
- 連想で探せるWebcat Plus
- 『日本国語大辞典』が含まれる知識探索サイト:ジャパンナレッジ(有料)
辞典、参考書、サイトはほかにもいろいろ出てきます。
それともう一つ、この本の中にさりげなーく出てくる「それなら6門だから」、「8門だからあそこの棚にあるはず」の「門」(「類」とも)。これは言うまでもなく、日本十進分類法(日本十進分類法 – Wikipedia)の区分のことですが、これぞ図書館員のみが持つ知識、(大げさかな、でも)プロっぽくてかっこいい。覚えておくと便利そう。
この本の巻末にも十進分類法(大まかなの)が載っていますが、もう一歩と思って「日本十進分類法」でgoogle検索した結果、ヒットした中に「日本十進分類法(NDC)9版 2次区分表」というのがありました。スタイリッシュで読みやすいページだなあと思ってトップをたどると、こんなサイトのコンテンツでした(英文省略)。
図書館員のコンピュータ基礎講座
このページは、急激なコンピュータ化の波にあえぐ図書館員による、同じ思いをしている図書館員または、これから荒波にもまれるやも知れない図書館員のためのコンピュータに関する知識・知恵を掲載するためのものです。
図書館のプロが知識を提供しているサイトのようです。司書のかたってこう、みんな「惜しみない」感じなのでしょうか。こちらもいずれ探索するつもりでブックマーク。
『図書館のプロが教える“調べるコツ”』、先ほどは「お仕事紹介本のようでわくわく」などと書きましたが、楽しく読める上にとても広がりのある本でした。