入るカフェはないけど

15分あれば喫茶店に入りなさい。』(齋藤 孝 幻冬舎)を読みました。

スタバもタリーズもドトールもないところでは、「喫茶店(カフェ)は仕事の主戦場だ!!」(帯より)といわれてもなあ、と思います。そういう点では都会生活者向きの本です。しかし、この本の眼目は「15分で喫茶店で何かしよう!」ではなく、「15分で(いろんな場所で)何ができるか」というところにあります。「ノマド」とはちょっと違うかな。

一番得るところが大きかったのは、「懸案フック」。「懸案フック」とは、「懸案事項」を言い換えたもの。「これはやっておこう」とか、「これについて知りたい」とか、「この人に会おう」とかいった未解決の事項を、情報に対する「フック」としてとらえると、いろいろなことに関われるし、情報も入ってきやすい(流れてしまわない)という主張。「不安」や「悩み」も「懸案フック」に解体してしまおう、それを喫茶店の15分で書きだそう、というもの。「懸案フック」と名付けているかどうかはともかく、多くの人が実行していることかもしれません。

私自身では、最近使い始めた「Toodledo : Your To-Do List」に、予定でもTodoでもない「覚え書き」というフォルダでため込んでいる箇条書きがそれかな、と思い当たりました。本の一行感想とか、ふと思いついたことば、お気に入りの短歌などが主ですが、「忘れたくない、いずれどこかで活かしたい」と思っているという点では「懸案フック」にあたるかも。

Toodledoはとにかく設定次第で自分に合った項目の追加ができるのが便利。PCのブラウザでもiPhoneでもこまめに見るし、思いついたことは放り込んでおいて後で締切を設定するなり単なるメモにするなり、簡単にできるので私には合っており、続けています。行き場のない一行メモを、前はEvernoteに入れてどこかへまぎれがちだったのが、今はToodledoに入力していつでもひと目で見られるようになりました。締切のない「覚え書き」は下の方に並ぶので(表示の切り替えも簡単)、「フック」の役割を立派に果たしています。

確かに、抽象的な思いつきでも書き出すと具体化するし、「で、それをどうしたいの?」と客観的に自分に問い直すきっかけにもなります。

もう一つ、この本のタイトル通り、「15分」はひとまとまりの用事を済ませる時間の区切りとして意識するといいかもと思いました。15分休憩する、15分本を読む、15分歩く、15分部屋を片付ける、15分でブログの記事を書く、などなど。一つのことを始めちゃうとだらだらしがちな性格なのですが、タイマーを活用して(この本にもタイマーの活用について書かれています)時間の目安をもって行動するのもいいかもなと思いました。

15分で何ができるかを気軽に提案する本。オススメ。