『大地の子エイラ』が完結する

今日やっと気がついたのですが、ジーン・アウルの『エイラ 地上の旅人』シリーズ(集英社版の名前)が完結し、日本語版が出るんですね! ほんとに、もう数日で発売される予定です。とても好きなシリーズなので、どうして見逃していたのか!と(見逃す時はそんなもんですが)思うくらい。発行のホーム社のページでは下のように告知されています。

『エイラ』シリーズには、評論社版(抄訳)と集英社版(完訳、発行はホーム社、発売は集英社)があります。何となく『大地の子エイラ』とおぼえていましたが、評論社版は「始原への旅立ち」がシリーズ名だそうです(ジーン・アウル – Wikipedia)。

小学校だったか中学校だったかの図書館で評論社版(文庫ではなかったように思う)を読み、大学の時に評論社の文庫版を手に入れ、だいぶ後になって完訳版を市の図書館で読破し……と何度も読み返してきたシリーズ。完訳版があるのを知って、抄訳である評論社の文庫は処分してしまったのですが、なにせ長いシリーズなのでとっかかりには評論社版を読むのもいいと思います。といっても絶版ですが……。

完訳版は五部まで出ていて、第六部で完結します。五部までで分厚い本が13冊もあるのですが、いったん引き込まれると時間を忘れてどんどん読み進み、ぐんぐん物語のなかに引き込まれます。

どうしてそんなにおもしろいのか、何度も読みたいと思うのか。

それは、3万年前の人たち(ネアンデルタール人とクロマニヨン人だよ!)や動物の生活が見てきたようにことこまかに、生き生きと描かれていておもしろいのと、物語の中心である女性、エイラがさまざまな困難を自分の手で何とか解決していく様子を応援せずにはいられなくなるからです。

孤独で、つらい、痛い描写も多いのですが、「エイラならきっと乗り越えられる」と信じて読み進めることができる。ヒロイン(ヒーロー)に「肩入れできる」というのは、物語の要素として大切です。

大部だし一冊一冊もけっこうなお値段なので、ぼちぼち古本で集めながら再読しているところなのですが、ここで完結編の第六部がもうすぐ出るとは。待ちかねていましたが、完結するのが惜しいような、複雑な気持ちです。

完結編くらいは新刊で買おうかな(でもまた3冊……)。

About 小林らいち
中日翻訳の仕事をしています。

Leave a comment